2015年11月16日月曜日

平和の絵本を読んでのスタッフ自身の感想③

藤沢YMCA平和の絵本ご紹介③『世界一貧しい大統領のスピーチ』

横浜YMCAでは子どもたちに読書から平和について考えるきっかけとなるよう毎年11月に平和の絵本読書キャンペーンを実施しています。今回は南米ウルグアイの大統領による『世界一貧しい大統領のスピーチ』という本を紹介します。



この本は、世界一貧しい国と言われている南米の国ウルグアイのムヒカ大統領が、2012年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた国際会議の中でスピーチをした内容を分かりやすいイラストと共に絵本にしたものです。

読んでみると、可愛らしいイラストのイメージとは異なり大人でも読み応えのある内容となっていて、実際のスピーチが忠実に再現されています。ムヒカ大統領はとても庶民的な人柄の方で、大統領公邸に住まず、町から離れた農場で花や野菜を育てながら生活し、運転手のない自家用車でいつも仕事に向かっています。
スピーチの中で大統領は、「人類がこの先、地球の自然と調和しながわ生きていくためにはどうしたらよいか、世界から貧しさをなくすためにはどうしたらよいかを考える場なのに、一方で、もっと豊かになって、ほしいものがどんどん手にはいる裕福な社会を望んでいないでしょうか?」と指摘し、発展のために自然や時間、生活などを犠牲にしてきた人たちがいて今日の世界は出来上がったけれど、「人間は発展するために生まれてきたのではない。幸せになるために生まれてきたんだ」と唱えています。
大統領である前に一人の人間として、世界で一番貧しいと言われている国を愛し、物質的な豊かさではなく心の豊かさを大切にしているムヒカ大統領。私たちの原点に帰る大切な価値観に気づかせてくれる、そんな心優しい思いの詰まったスピーチをぜひ皆さんも読んでみませんか。


              

(藤沢YMCA 鈴木あき子)